不動産を売買するときには、さまざまな契約を行います。
不動産仲介会社に売却活動を依頼する媒介契約、不動産の売買契約、住宅ローンを借りるための金融機関との金銭消費貸借契約、建物建築・リフォーム・解体などの請負契約などがあります。契約は内容が難しかったり、契約内容を一方的に破棄されたりと、トラブルが多い事項でもあります。そのため、契約にまつわるトラブルを1つでも多く知っておき、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
先述しましたが、不動産の売買には多くの契約を締結することになります。
特にその中で、媒介契約、不動産売買契約、請負契約(リフォーム)に関してのトラブルが多いため、ここからは媒介契約、不動産売買契約、請負契約(リフォーム)のトラブル・失敗談を紹介していきます。
媒介契約とは、不動産所有者が不動産会社に、不動産売却の仲介をしてほしいと依頼する契約です。媒介契約でのトラブル・失敗談を紹介します。
この契約には、所有不動産を売却できたとき、不動産仲介会社が受領する仲介手数料が明記してあります。この仲介手数料は、法律で上限金額が定められており、決められた金額以上は受け取ってはいけないことになっています。しかし、この仲介手数料にコンサルタント料やローン取り組み手数料等を上乗せした金額を提示してくる不動産仲介会社がいます。
特別に手間のかかることを依頼したわけではなく、単にローンを組んで住宅を購入したしただけの場合に仲介手数料以外の費用は発生しないと考えられます。
仲介手数料に上乗せして費用請求をしてきた場合は、指摘したほうがよいでしょう。
不動産仲介会社は自らインターネット広告やチラシ広告を作成します。
この広告費用は、原則不動産仲介会社の負担です。
不動産売却の依頼者が広告費を支払う場合は、不動産売却の依頼者が不動産仲介会社に広告をしてほしいと頼んだときだけです。
そのため、広告をしてほしいという依頼もしていないのに、広告費の請求を受けた場合も気を付けたほうがよいでしょう。
不動産売買契約のトラブル・失敗談が契約の中で一番多く発生します。
内容が複雑な上に、契約での決め事が多いことが理由です。
不動産売買で起きたトラブルを紹介します。
売買契約締結のときに、建物内のどの設備を残しておくか決め、付帯設備表という書類に記載します。例えば、エアコンは2階洋室のエアコンは残していくが、1階のエアコンは撤去します、食洗機は有りで「故障なし」等を記載します。しかし、この設備表通りではない場合がありますので注意が必要です。契約時の設備表に「故障なし」と記載されていても実際住んでみると故障していたというケースがあります。給湯器やウォシュレットの不具合、キッチンの水栓や浴室シャワーホースの水漏れなど、売主がしっかり室内をチェックししていないことがあります。そのため、付帯設備表通りになっているか、引渡し後できるだけすぐに確認をしていくことが大切です。
人が室内で亡くなっていた場合には、一定条件以外のときには買主に告知する必要があります。しかし、一定条件に当てはまらない場合は、告知をしなくてもよいことになっています。死亡理由が自然死や日常生活での不慮の事故の場合が原則告知をしなくてよい条件です。ただ、不慮の事故などは内容によって告知義務があるのか判断しづらいケースがあります。このような場合、告知義務はありませんが、買主にとってみると聞いておきたかった事項でもあります。トラブルを未然に防止するためには、心理的瑕疵の告知義務はないとしても事実として仲介業者や買主に伝えておいたほうがよいでしょう。
更地の土地を売買契約し、引渡し日を迎えた時に司法書士から土地上に従前の建物登記が残っていますと指摘されるケースがありました。今の売主よりもずっと前に土地を所有していた頃の建物登記だけが建物取り壊し後に滅失登記をされていなかったため、残っていたケースです。 この場合、当時の建物所有者や相続人から滅失登記の申請が必要ですが、現在どこに住んでいるのか、分からないこともあります。土地家屋調査士に依頼して調べても不明な場合は現在の土地所有者から上申書などの必要書類を揃えて法務局に提出し、判断を仰ぎます。
過去のケースでは2週間程度で建物滅失登記をすることができました。長年駐車場であった土地を売却する場合など建物登記の有無を調べていない時もあります。更地の土地でも土地の登記簿謄本取得に合わせて、建物登記が残っていないかどうかの確認を法務局でした方がいいと思います。
ここからは、リフォーム工事の請負契約でのトラブル・失敗談を紹介します。
マンションの室内をリフォームする場合、マンションによっては、隣戸や階下住戸等からリフォーム工事の許可を受けなければならない、と決めているマンションがあります。部屋の床をカーペットからフローリングへ変更する場合に多いです。
この場合、事前にリフォーム工事をする予定を立てている場合には、不動産売買契約前にマンションの隣戸の方に挨拶などをして意思確認を取得しておくほうが確実です。
売買契約後に確認していてはもう遅い、ということになる場合があります。
リフォームをする場合は、多くの設備(品番)を選ぶことになる上に、設備の色も決めていきます。すべての品番や内容を請負契約書に明記する必要がありますが、まれにリフォーム工事一式というような簡単な契約で済ましてしまう場合があります。
このような場合、契約した品番と違うものが施工されてしまうことがあるため注意が必要です。契約を簡略化してしまうと証拠が残らなくなるため、契約書に工事内容、品番が明記されていない場合には、注意が必要です。最近はコロナの影響で設備機器の納期が大幅に遅延するケースが増えております。請負契約書には期日が明記されていますが、工事が遅延することも視野に入れて、引越しなどのスケジュールを決めた方がいいと思います。
本記事では契約にまつわるトラブル・失敗談を取り上げました。
しかし、このトラブル・失敗談はごくごく一部の話しです。
契約に関係するトラブルは、ここで挙げきれないほどトラブルが発生しています。
契約でのトラブルを防ぐためには、契約者が契約内容を把握することと、不動産仲介会社から適切なアドバイスを受けることが大切です。
田村商会では、お客様に寄り添ったアドバイスをすることを心がけています。
契約時に何を確認したらよいのか、契約内容は正しいのかなどのアドバイスをさせていただきます。不動産に関する契約で心配な方は、田村商会までお気軽にお問い合わせください。
監修者情報
代表 田村 佳寛(たむら よしひろ)
当社は3代にわたって、大阪府池田市エリアで地域に密着して営業活動を続けてきた不動産会社です。
地域に精通した「知識と人脈」を活かして、お客様の大切な不動産の売却に取り組んでおります。池田市の物件に精通した地元出身の代表自らが行っているからこそ、物件の特性、地域情報、相場、成約事例等について詳しくアドバイスすることが可能です。
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