相続により取得した不動産を売却 税金面で注意したいポイント5選

相続により取得した不動産を売却 税金面で注意したいポイント5選

相続により取得した不動産を売却 税金面で注意したいポイント5選

自分で購入した不動産と相続により取得した不動産では売却時の税金について取り扱いが違うということをご存じでしょうか?
このことを知らないと税金を多く払ってしまうこともあるかもしれません。不動産を売却した際の税金計算はとても複雑です。
本記事では、相続により取得した不動産を売却した際の税金面における注意点を解説いたします。

保有期間で税率が変わる

不動産を売却した際の税率はその資産の保有期間によって変わります。

譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超える場合は所得税が15%、住民税が5%の合計20%です。それに対し譲渡の年の1月1日において所有期間が5年以下の場合は所得税が30%、住民税が9%の合計39%と両者の差は倍近くあります。

相続から売却までが5年以下の方であってもご安心ください。不動産の保有期間は亡くなった方がその不動産を取得した日からカウントします。不動産を取得した方が引き続き保有していたとみなすため取得日が引き継がれます。

売却する人が相続した日から保有期間をカウントするわけではないことに注意しましょう。

亡くなった方がいつ不動産を取得したかわからないというケースもあるかと思いますが確認方法は簡単です。全部事項証明書の権利に関する事項に取得日が記載されています。

不動産を買った金額がわからないと税負担が増える場合も

不動産を売却した際の税額計算は次の通りです

(譲渡収入金額-取得費-譲渡費用-特別控除)×税率

取得費とは不動産の購入代金のことです。
相続により取得した不動産は購入したわけではありません。そういった場合、取得費は0になるのでしょうか?

答えは亡くなった方が購入した金額を取得費とすることができます。先ほどの保有期間と同様に引き続き保有していたとみなすからです。

相続により取得した不動産は購入してから相当な期間が経過している場合も多く、購入時の資料が残っていない場合もあります。その場合は概算取得費控除といって譲渡収入額の5%を取得費とすることができます。

概算取得費が実際の取得費より低いというケースは多いです。購入金額がわからないため税負担が増えてしまうこともあります。そうならないためにも相続発生前から購入時の資料を探しておくことをおススメします。

なお、概算取得費が実際の取得費より大きい金額の場合は概算取得費を適用できます。
取得費が大きいほうが税負担は低くなるので比較検討を行いましょう。

【居住用財産の3,000万円控除】 親のマイホームだと受けられない

マイホームを売却した場合、次の要件を満たせば、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例を受けられ、所得金額を圧縮することができます。

  • 譲渡者が居住の用に供している土地、建物であること
  • 居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されていること

要件が簡便な特例であり納税額への影響も大きいためご存じの方も多いかもしれません。

しかし、親が住んでいた家を売却したとしても売却をした人が実際に住んでいないと適用を受けることができません。先ほどの保有期間や取得費とは異なり居住要件を引き継ぐことはできないので注意が必要です。

マイホームだから適用が受けられると勘違いしないようにしましょう。

相続税を支払ったら受けられる【相続税の取得費加算】

相続により取得した不動産について相続税を支払い、その不動産を売却する際に所得税を支払う。このようなケースは珍しくありません。納税が2回あるため大きな負担になります。

ただし、その売却が相続税の申告書の提出期限の翌日以後3年以内に行われているときは、相続税の取得費加算という税制優遇を受けることができます。

相続直後の相続財産の譲渡は相続税の納税資金捻出のための場合が多く、税負担の軽減を目的としています。支払った相続税のうち次の金額を取得費に加算し、所得税の負担を抑えることができます。

譲渡者の相続税額×譲渡した資産の価額÷譲渡者の相続税の課税価格

不動産を売却することと相続税を支払うことは関連性が低いように感じるかもしれません。
だからこそ適用を受けることを忘れないように注意しましょう。

相続した空き家を売却するときの税制優遇【相続財産の3,000万円控除の特例】

相続した空き家を売却する際に一定の要件を満たしているときは譲渡所得金額から3,000万円を控除できるという税制優遇を受けられます。

適用を受けるための要件は非常に細かいので注意が必要です。

  • 相続開始の直前において亡くなった方が一人暮らしをしていた
  • 相続があった日から譲渡の日まで居住用や賃貸用、事業用に利用されていない
  • 昭和56年5月31日以前に建築されている
  • 一軒家である(マンション、アパートなどは適用できない)
  • 譲渡対価の額が1億円を超えないこと

この規定は空き家を取り壊し更地にして売却するか、耐震リフォームをして売却するかしなければなりません。

適用を受けるハードルは少し高いですが税額に対するインパクトは非常に大きなものとなっています。

なお、この特例を受ける場合は相続税の取得費加算の適用を受けることができません。どちらかの選択適用となります。

まとめ

相続により取得した不動産を売却する際は様々な点に注意が必要です。

税金面に限らず、不動産の売却について何に注意をしたらよいのか、どんな準備をしたらよいのかそのような不安は尽きないものです。

田村商会では長年の実績を生かし、お客様に寄り添い少しでも不安をなくせるようにアドバイスさせていただいております。不動産の売却を検討されている方は、田村商会までお気軽にお問い合わせください。

監修者情報

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代表 田村 佳寛(たむら よしひろ)

当社は3代にわたって、大阪府池田市エリアで地域に密着して営業活動を続けてきた不動産会社です。
地域に精通した「知識と人脈」を活かして、お客様の大切な不動産の売却に取り組んでおります。池田市の物件に精通した地元出身の代表自らが行っているからこそ、物件の特性、地域情報、相場、成約事例等について詳しくアドバイスすることが可能です。
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